こんにちは!大阪市福島区・海老江エリアのジュニアサッカー教室「NEXTサッカースクール」代表の古川愛基です。

毎週火曜日は、僕自身の人生の原体験や挫折、そこで得たマインドを語る「コラム枠」です。

先週のブログでは、僕が大学時代にプロへの夢を諦め、挫折を通したからこそ「仲間のために行動する喜び」や「周りの人に寄り添う、自分だけの強み」に気づけたというお話をさせていただきました。

大学4年の秋。プロサッカー選手という幼い頃からの大きな夢を諦めた当時の僕は、その先の進路なんて何も考えておらず、「これからどうしていけばいいんだろう」と暗闇の中で悩み抜いていました。

そんな時に僕の胸の中に強く残っていたのは、「やっぱり、これまで自分を育ててくれたサッカーに恩返しがしたい」という切実な想いでした。

知り合いの方々に進路の相談をさせていただく中で名前が上がったのが、まさかの「吉本興業株式会社」でした。

■ 「サッカー × お笑いって面白そう!」直感から始まった挑戦

吉本興業と聞くと、誰もがお笑いのイメージを強く持つと思います。 しかし詳しく話を伺う中で、お笑いだけでなく様々なジャンルの事業を展開しており、その中に「スポーツ事業部」があることを知りました。

「お笑いの会社にスポーツ事業部があるんや!サッカーとお笑いが掛け合わさったら、絶対に面白そう!」

直感的にそう感じた僕は採用試験に挑み、ありがたいことに合格をいただき、晴れて社会人としてのスタートを切ることになりました。

■ 入社式での完敗。「高学歴な同期たち」の中で見つけた自分の武器

しかし、入社式で最初に味わったのは「強烈な挫折感と自分の無力さ」でした。

吉本興業の同期には、名だたる高偏差値の大学を卒業した高学歴な面々がズラリと並んでいました。 それまでアルバイトすらしたことがなく、大学時代もサッカーだけにすべてを捧げてきた僕。

いざ研修が始まると、同期たちのパソコンスキルの高さ、日本語能力の高さに「あ、負けたな〜、すげ〜奴らおるんやな〜」と、入社早々打ちのめされました。こんな社会の基礎能力も知識もない僕が、この会社で本当にやっていけるのだろうかと、強烈な不安を覚えたのを鮮明に覚えています。でもその同期がとにかく良い人が多かったです。困ったことは皆、助けてくれる。こんな同期でした。

でも、勝てるところは何やろうな、、、と考えました。 行き着いたのが、『コミュニケーション能力』でした。

これまでも、これからも、僕は「人柄」で生きてきたし、人柄で戦っていくんだという強い自負がありました。 持ち前の明るさと酒の席でのコミュニケーションも含めて(笑)、気づけばうるさい存在になっていました!

■ 1年目の配属発表。「お笑い=漫才」だと思っていた僕の正直な戸惑い

2ヶ月の研修が明け、いざ現場へ出るとなったとき、僕が配属されたのはスポーツ部署ではなく「お笑いのマネジメント部署」でした。

その時の僕は正直、心の中で密かに期待を膨らませていました。 「お笑いのマネージャーになれるなら、テレビで毎日見るような人気の漫才師さんや、M-1グランプリで頂点を目指すような若手芸人さんの担当になれるのかな!?」と。

しかし、一番最初に僕が担当することになったのは、漫才でもコントでもなく、「落語家さん」の現場でした。

サッカーしか知らず、「お笑い=テレビで見る漫才」という固定観念しかなかった当時の僕は、失礼ながら一瞬「えっ、落語……?」と戸惑いを隠せませんでした。自分が思い描いていた華やかなテレビの世界とのギャップに、正直なところモチベーションの置き所を少し見失いかけていたんです。

■ 一瞬で意識を変えてくれた、上方落語界の大御所師匠との出会い

しかし、そんな僕の青くさい戸惑いは、現場に出て日本を代表する上方落語界の大御所師匠とお会いした瞬間に、見事に吹き飛びました。

説明するまでもなく日本のエンタメ史を築いてこられた方であり、本来なら新人の僕などが気やすく話しかけられるような存在ではありません。

それなのに、右も左も分からず不安と戸惑いを抱えていた新人の僕に対して、その師匠は本当に親切に、どこまでも温かく接してくださいました。

マネジメントをしなければいけない立場である僕にいつもタクシーや食事の場で言葉をかけてくださったんです。

「古川君、やりたいことは何なんや?」 「なんで吉本に入ったんや?ここはやりたいことが叶う会社やから、何でも挑戦してね」

高学歴な同期への劣等感や、社会人としての自分の存在価値に迷っていた1年目の僕にとって、歴史を作ってこられた偉大な方にそう言っていただけたことは、一瞬で心が救われ、一気にエンジンがかかる最高の瞬間でした。

「上に立つ人ほど、人に対してどこまでも優しく、温かい言葉をかけられるんだ」 自分の未熟さを恥じると同時に、大御所師匠の圧倒的な懐の深さに、一瞬で心を掴まれました。

■ 落語という文化、そして「たった一人で人を引きつける力」

師匠の言葉に背中を押された僕はそこから一変、夢中で落語の世界に没頭していきました。結果として、お笑いマネージャーとしての最初のキャリアにおいて、約4年半にわたって落語の世界に深く携わらせていただくことになります。

実際に間近で落語家さんの技術と情熱に触れ、僕の持っていた印象は180度覆されました。

たった一人でマイクの前に立ち、扇子と手ぬぐいだけを持ち、声の色や表情だけで二役も三役も演じ分けながら、30分も40分も観客を自分の世界に引き込んで爆笑させ、時には感動で涙させる。

そこには、時代を超えて人々を魅了する「言葉と表現だけで人の心を動かす、究極のエンターテインメント」がありました。

「どうすれば、この素晴らしい落語の魅力を若い世代や子どもたちにも届けられるだろう?」 最初の戸惑いは消え去り、どうすればこの魅力を発信できるのかと夢中で思考し続けた4年半の月日は、僕の人生にとってかけがえのない大きな財産となりました。

■ NEXTのコーチとして、子どもたちに伝えたいこと

大学時代のサッカーでの挫折、高学歴な同期たちへの劣等感、最初の配属での戸惑い、そして大御所師匠や落語との出会い。

一見するとバラバラに見える僕の歩みですが、すべては「自分の弱さを認め、自分の強み(人柄・言葉)で立ち上がり、温かい言葉で人に寄り添う」という一つの軸で繋がっています。

たった一人で何十人、何百人の心を惹きつける落語家さんのように、僕もまたピッチの上で、自分の言葉と情熱で子どもたちをワクワクさせ、サッカーに夢中にさせるコーチでありたい。

そして、大御所師匠が新人の僕に「やりたいことに挑戦してね」と温かく背中を押してくださったように、僕もまたNEXTサッカースクールで、子どもたちの「やりたい!」「やってみたい!」という挑戦の芽を誰よりも温かく認め、伴走する存在であり続けたいと思っています。

さて、社会人1年目の葛藤をこうして温かい師匠や落語の世界に救われた僕ですが、2年目以降、僕のキャリアはさらに激動のエンタメ最前線へと突入していきます。

次回の火曜コラム(第2弾)では、若手漫才師の担当として共に駆け抜け、M-1グランプリの決勝という夢の舞台へ挑んだ日々、そして関西エンタメ界の象徴である女性芸人との出会いを通じて学んだ、『売れ続けるプロの圧倒的な人間力』について深くお届けします。ぜひ楽しみにしていてください!

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